無断設置は法律違反!?防犯カメラ設置前に知るべき知識(前編)~個人情報保護法など

防犯カメラと個人情報保護法
防犯カメラと個人情報保護法2

 犯罪の証拠を収集したり、犯罪を犯そうとする人をけん制したりと、防犯カメラは高い防犯効果を持つ優秀な防犯対策手段です。今では一般的に見かける存在ですが、適当な設置が理由で近隣住民などとのトラブルが発生しやすい防犯手段でもあります。

 この記事では、防犯カメラの設置に関するトラブルの一つである「個人情報保護法」について紹介したいと思います。

個人情報保護法と防犯カメラ設置について

 個人情報を保護するために、個人情報の適切な取り扱い方法などについて規定している法律です。
ここでいう個人情報とは

生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいいます(法第2条)。


引用:
個人情報保護委員会 よくわかる個人情報保護法のしくみ《改訂版》〉
 防犯カメラで撮影する対象となる個人の姿もこの「個人情報」に当たるため、防犯カメラの設置・利用については個人情報保護法の制約を受けることになります。個人情報を取得する際には、原則本人にその目的を説明したうえで許可を得る必要があると規定しています。  「個人情報取扱事業者」かそうでないかによって、防犯カメラを設置する際にしなければならないことが変わってきます。

上記画像引用:情シスHack 個人情報取扱事業者の定義と義務 |
企業の個人情報保護法への取組と事例:2018年版(3)〉


https://jyosys-hack.info/2018/10/02/post-1575/#outline__3

防犯カメラ設置における個人情報取扱事業者の場合

 「個人情報取扱事業者」とは「5,000人分を超える個人情報を、紙媒体・電子媒体を問わす、データベース 化してその事業活動に利用している者 」であり、個人情報の取り扱いについて様々なルールが課されています。  個人情報取扱事業者が防犯カメラを設置する際には、設置の目的を明らかにし、それを誰もが確認できる形で公表する必要があります。例えば大家さんがアパートの駐車場などに設置する際には事前に告知したり、スーパー等の店舗で店内を撮影するのあれば「防犯カメラ設置」のような張り紙をする等の公示する必要があります。

防犯カメラ設置と自治体毎のルール

 法律レベルでの防犯カメラに対するピンポイントな規制は実は存在しないのですが、自治体レベルでは条例やガイドラインで防犯カメラの具体的な設置基準が定められています。  例えば防犯カメラを設置する際に届け出を提出する必要があったり、設置者に対する特別な義務を課していたりします。  防犯カメラ設置の際には自治体のホームページなどであらかじめ防犯カメラ設置のガイドラインに目を通しておきましょう。

まとめ:防犯カメラ設置時に守るべきルール

・防犯カメラは個人情報保護法に定める「個人情報」を撮影するものであり、この個人情報は通常本人から承諾を得なければ取得することはできない。

 ・5,000人分を超える個人情報を扱っている「個人情報取扱事業者」は、防犯カメラの設置とその目的を通告・公示しなければ防犯カメラを設置できない。
 
 ・一般家庭で防犯カメラを設置する際には、防犯対策だと見てわかるような設置であれば、撮影の許可や公示はいらない。

自治体ごとに防犯カメラ設置の具体的な基準が定められているので、防犯カメラ設置の際にはそれを確認する。

 次回は防犯カメラを設置する際に気を付けなければならない他者の権利「プライバシー」について紹介したいと思います。

追伸:個人で防犯カメラを設置する分の個人利用における防犯対策利用については、特にお咎め無しという事ですが、実際道路や側道、個人情報取得に近い方向や店内に近い、人通りが間違えなくあるなど、様々な観点で、設置には注意が必要だと今回のBLOG内容でもわかって頂けたかと思います。特に業務用として防犯カメラ設置を目的とする場合は十分に注意が必要です。